カタカムナ

カタカムナ ウタ 第47首

カムナガラ ウハツワタツミ ムラヂ イツク ウハツツヲ アマテラス ウツシキカナサク
タケ ハヤスサノヲ ツキヨミマ ミクラタナ タキリヒメ イチキシマ サヨリヒメ 

第47首にも『古事記』でお馴染みの神様の名前が網羅されています。アマテラスノカミのご加護でしょうか。好奇心が湧いてきますね。

【用語の訳】

○カムナガラ
第33首からはじまった「カムナガラシリーズ」もここで終了します。カムナガラの働きがあってこそ、私達は病気もせずに元気でいられるのです。

○ウハツワタツミ
ウ(潜象と現象の界面)からハ(正反、サヌキとアワ)に分かれたツ(個々の粒子)によって構造されるワタツミ(細胞)には、

○ムラヂ イツク
ム(六方)にラ(あらわれて)チ(持続される)、イ(電気粒子)のツ(個々)がク(自由)に、

○ウハツツヲ
ウ(潜象の界面)からハ(正反に出て)ツ(個々)にヲ(四相)を持つものになります。

○アマテラス
アマの力(潜象の力)がテ(正反)にラ(表れ)てス(進行)して、そして

○ウツシキ
ウ(潜象界面)からツ(粒子)としてシ(示されて)キ(発生)します。

○カナサク
カの関わりのナ(膨大な数のくり返し)によって、サク(カの量)がク(自由)に

○タケハヤ
タ(独立的に正反に)ケ(分化し変遷)して、ハ(正反)ヤ(極限)まで。それこそ「竹を生やすような」勢いのチカラで

○スサノヲ
ス(進行)して、サ(カの量によって)ノ(変遷して)ヲ(四相性を持ちます)。

※ タケハヤスサノヲは細胞などの生命質の発生の順序です。

【四相性】

第32首を参照に解説します。イが現象に出る時はイハ(サヌキとアワの正反)ですが、イヨ(四相)が発動するのは、イキモノの生命力が四相でバランスを取るからです。四相とは、現象の粒子として発生する場合、ソコ(膨張、アワ)ソギ(収縮、サヌキ)シマ(流線、ナミ)マリ(粒子、ナギ)のことになります。体の交感神経と副交感神経の働きも、このような四相で様々なバランスを取っています。

○ツキヨミマ
ツ(個々)にキ(発生)したものが、ヨミ(ヨからミへと還元する様に)マ(トキ・トコロ)は、ヨミのマです。カムへ還元する(ツキ返す)ミ(ヨミマ)なのです。ツキ(生命発生)とヨミ(還元)するマ(トキ・トコロ)です。

○ミクラタナ
ミがク(自由)にラ(表われ)てタ(独立的発生)がナ(何兆回と繰り返され)ますが、そこには、

○タキリヒメ
タ(独立)してキ(発生して)リ(分離する)ヒ(潜象)のメ(働き)をヒメ(秘めて)います。タのキ(発生)リ(分離)の力が、マのヒコヒメのチカラ、つまり生命質のチカラです。

○イチキシマ
イ(生命の最小単位のイカツ)がチ(持続的に)キ(発生)してシマ(示されます)。イチキシマは、生命を発生持続するシマ(チカラ)を持つことです。そこに、

○サヨリヒメ
カのサ(根源のチカラ)によってヨ(四相を以て)リ(分離する)、その生命のチカラをヒメ(秘めて)います。

まさに生命には、頼もしいチカラです。

【ヒコ・ヒメ】

ヒはカのチカラであり、ヒコ(ヒが繰り返されること)、ヒメ(次の発生のチカラを秘めていること)。これは一般的な遺伝子の働きをいっているのでしょう。

【『古事記』に登場する神様】

ウハツワタツミ
上津綿津見の神、海の神霊、イザナギノミコトがアワギハラにてミソギをした際に、底津綿津見の神、中津綿津見の神の次に水の上にすすぎたまふ時に成りませる神のこと。

ウハツツヲ
上箇之男の命、上の海の神霊

ウツシヒカナサク
宇都志日金柞の命、網を編む、海人。綿津見の三神は海産物の守護神で龍宮におられます。その綿津見の神の子孫。

アマテラス
天照大神、イザナギノミコトがアワギハラにて左目を洗う時に成りませる神

タケハヤスサノウ
建速須佐之男命、イザナギノミコトがアワギハラにて鼻を洗った時に成りませる神。

ツキヨミ
月読命、イザナギノミコトがアワギハラにて右目を洗う時に成りませる神。

ミクラタナ
御倉板挙の神、イザナギノミコトがアマテラスに自分の御頸珠(ミクビタマ、ネックレス)を授けました。その御頸珠の名をミクラタナの神と言います。

タキリヒメ
多紀理比売の命、アマテラスがスサノヲの十剣の剣を噛み砕いて、吐き出す息より生まれた三女神。亦の名はオキツシマヒメ。

イチキシマ
市寸嶋比売命、亦の名はサヨリヒメ(狭依比売命)。

サヨリヒメ
狭依比売の命、神霊の依り憑く女性の意。

『古事記』の編纂者である稗田阿礼は、これほど正確にカタカムナ文字が読めたことがうかがえます。後には行方不明となってしまったという説を昔何かの本で読んだことがありますが、阿礼のこうした才能がかえって朝廷に疎まれたのかもしれませんね。