カタカムナ

免疫細胞に見る「人のあり方と社会のあり方」

人のあり方、社会のあり方にアマはどう関わっているのでしょうか。

その答えを、人の体を通して見えてくるように思いました。人の生命は60兆、あるいは37兆2000億ともいわれるマカハコクニ(細胞)のイノチ(命)によって支えられています。幾種類も存在する細胞は、自分に与えられた機能を全うすることで、人間一人の生命に貢献しています。このことを、人を国、細胞を人間として考えてみると、まるで社会の仕組みのように見えます。細胞社会の仕組みは精妙です。人間のあり方のお手本になる程に良くできています。例えば、免疫細胞と言われるものの働きを覗いてみても解ります。

【免疫細胞の種類と働き】

○好中球
白血球の半数以上を占める好中球は、体に侵入したウイルスや細菌などの異物(抗原)を排除します。

○マクロファージ
白血球の一種。細菌等の異物を捕らえて殺し、抗原や免疫情報を見つけ出します。死んだ細胞や細菌などを片付けることも仕事です。

○単球
白血球の7%を占める単球は、単核の遊走細胞です。他の免疫細胞同様に、生体防御に関与しています。単球は血液中を流れていますが、血管外に出るとマクロファージとなります。

上記の3つの白血球は、細菌や異物を細胞内へ取り込んで分解してしまいます。このことを貧食と言います。

○樹状細胞(じゅじょうさいぼう)
外気に触れる鼻腔、肺、胃、腸管、皮膚などに主に存在する細胞です。侵入してきた細菌やウイルス感染した細胞などの断片を抗原として提示して、他の免疫細胞に伝えます。またT細胞の育成にも関わっています。

抗原とは、生体内での細菌、毒素、異種蛋白などの異物のことを言います。

○ヘルパーT細胞
他の細胞達に外敵の情報や対策を伝えます。

○キラーT細胞(リンパ球の一種)
ヘルパーT細胞の指令によって出動して、ウイルスに感染した細胞や、癌細胞などを認識して殺します。

○NK細胞(ナチュラルキラー細胞)
リンパ球の一種で、全身をパトロールして、癌細胞やウイルス感染細胞等を発見次第攻撃して殺します。ですから「大いに笑ってNK細胞を活性化しましょう」。笑いの刺激が間脳に伝わると、神経ペプチドという情報伝達物質の生産が活発になります。これがNK細胞の表面に付着することで、NK細胞の働きが活性化します。

○B細胞
リンパ球の一種で抗体生産細胞。抗原に対して抗体(免疫グロブリンという蛋白質)という武器を作り出します。

○M細胞
パイエル板(下記参照)の表面に存在し、抗原となる細菌やウイルス等を捕捉する細胞。捕獲された細菌やウイルスは、樹状細胞に引き渡されて抗原提示されます。

○パイエル板
小腸の内側の絨毛と絨毛の間や、絨毛の無い部分にある免疫器官。その内部にはリンパ小節がたくさん集合していて、腸管免疫の重要な役割を担ってます。

○記憶細胞(メモリー細胞)
抗原の免疫情報を記憶しているリンパ球。以前に侵入した細菌や、ウイルスが再び侵入した際には適切な情報を配信します。

○パーフォリン
キラーT細胞が感染細胞や癌細胞を攻撃する際に放出する物質。

○胸腺上皮細胞
リンパ球を哺育してT細胞の分化を助けています。胸腺では有用なT細胞を生存させ、自己を攻撃する有害なT細胞を排除する選別が行われます。これによって、病原体などの異物と、自分の身体の細胞とを選別できる能力を学習したリンパ球を産生します。

○腸管上皮細胞
栄養や水分の吸収を担う細胞ですが、腸内細菌に対する過剰な免疫応答を回避するために、粘膜バリアーを構築します。

○赤血球
ヘモグロビンを含むので赤色です。酸素と炭酸ガスを運搬するのが仕事。赤血球はミトコンドリアを持たないので、他の細胞のように酸素をエネルギー源とせずに、ブドウ糖をエネルギー源としています。

以上のように免疫に関わる細胞の働きをざっと記してみましたが、ちなみにリンパ球などの駆除対象になる癌細胞についても記しておきます。

○癌細胞
一般細胞の遺伝子に異常が起きて、無軌道に増殖するようになった細胞。周囲の正常な細胞との境界を侵して増殖します。癌細胞は、血管やリンパ管の流れに乗って様々な場所に転移もします。癌細胞はサイトカインという物質を大量に放出することによって、体中から栄養豊富な血液が引き寄せられ、ブドウ糖などを食することで癌細胞の増殖が行われます。癌細胞は、正常な細胞が細胞分裂する際のコピーミス(高電位でなかったこと)によって、1日に数千個は作られるとも言われています。

さて、免疫細胞達に守られた一般細胞の働きも実に様々です。それぞれが自分の能力を活用しています。このことを考えてみても、人はそれぞれの個性を伸ばすことが大切な筈です。37兆以上の膨大な数の細胞達が、上手く統率、統制されていく為には、やはり全ての細胞がアマココロと関わったアマウツシを伴わなければ、それぞれの細胞が持っている自力だけでは混沌、混乱と化してしまい、生命は維持できないでしょう。

人のあり方、社会のあり方も同じだと思います。人智だけで生きていくのではなく、感受性、直感力を鍛えてアマココロとの関連性を高めて生きなければなりません。さすれば、アマナ(アマココロの働きを代行する)が、アマウツシ(アマココロノウツシツミを給与)してくれますから、イヤシロ(高電位の状態)で、優れた直感力を共にして生きられるのです。鋭敏な感受性に基づく高度な判断力を直観といいますが、楢崎皐月は『人間の直観こそ、何ものにも勝る、最高の観測器であることを、科学者は良く承知して、自分の直観を鍛えねばならない』と言っています。『相似象』(第13号118頁)

「アマココロノウツシツミ」を感受することは、宗教(人智によって作られたもの)ではありません。アマとの繋がりとは潜象であって、原子や細胞達が行っているのです。

人の体は、アワナギ アワナミ ツラナギナミ(アワの電磁波)状態のアマやアマナの働きによって、超高速度で変遷しています。アワの電磁波が盛んな状態、言い換えればアマウツシの盛んな状態であれば、体はイヤシロ(高電位)になって、タカミムスヒ(生命体の給与)もカムミムスヒ(生命力の給与)も盛んになります。

分極というのは、正負の電荷が分離していること。分極が定かであれば、野菜などはみずみずしく新鮮です。人も原子分子細胞での分極がしっかりしていれば、電荷が現れて高電位となり、様々な力や直感力も高まり、免疫細胞達や一般細胞達も十分な力を発揮できることは明らかなのです。