お別れ会のご報告
去る6月18日、大野朝行先生のお別れ会を執り行いました。会場となったサンアメニティ北本キャンプフィールドは、北本駅から徒歩約50分と離れているものの、その名の通りキャンプができる場所とあって、自然に囲まれた心地よい場所でした。その多目的ホールもまた、天井高のログハウス風の造りとなっており、初めて訪れた者もスーッと馴染んでしまうような落ち着いた環境でした。
そこに全国から約90名の方がお集まりくださいました。主に関東近県の方でしたが、中には新潟、山梨、滋賀、奈良、大阪、そして鹿児島など遠方からも駆け付けてくださった方がいらっしゃいました。また、最近本を読んで知ったなど、大野先生とは一度も会ったことのない方も数名程いらっしゃいました。この求心力たるや、ひとえに先生のお人柄の成せる技ではないでしょうか。あるいは、魂合氣やカタカムナの真髄を知りたいと願う方たちだったのかもしれません。
ご縁の深かった方も、そうでない方も共に偲び、また遺作となった新刊やアルバム『アマココロ』の完成を祝う事のできる会にしたい、と願いながら私たち有志は準備を重ねて参りました。
お陰様で無事に終了し、その後も参加者からお礼のメールが届く度に、今回、多くの方のサポートによって開催できた事への感謝がより深まっていっております。
当日、ご参加くださった方はもちろんの事、やむを得ずキャンセルされた方も楽しんでお読みいただけましたら幸いです。
前半:お別れ会
当初は開場と共にアルバム『アマココロ』を流し、11時の開始と共に生の石笛、竹笛、太鼓などが加わって、暫く音の響きのウズに浸りながら、皆で大野先生の御魂をお呼びしようと思っていました。
ところが、予定はそう上手くいきません。当日は駅前でタクシーがなかなか掴まらない。タクシー係の水島 洋子さん、菊地 彩さんからは、タクシー会社にお願いするよりも、アプリで呼び寄せた方が早いとドライバーさんに言われたそうです。
そんな訳で、20分ほどおした状態でのスタートに。自然と、会の有志であり、アルバム『アマココロ』の録音、編集、製作者である石坂 亥士さんのお話から始まっていきました。
実は亥士さんの元には、今回のお別れ会のタイミングに合わせたかのように、古の響きを記憶すると言われる「銅鼓」がちょうどやってきていました。(詳しい話は亥士さんのブログをご覧ください。)これは想定外のミラクルです!
先生の大好物だった鰻重をお供えし、宋の時代から元の時代の物とも言われる銅鼓による深い響きによって、おそらく先生の御魂は扇子片手に軽々と舞い降りてくださったに違いありません。
その後、司会の宇佐見 仁さん、岡本 みどりの挨拶をしてから皆で献杯に。「弥栄!」
先生とは35年の長きにわたってさまざまな遊び仲間だったという、中村 香奈子さんによる有志代表の挨拶。
続いて、参加者が近くの方達と語り合う時間に。どこから来たのか、大野先生とはどういう関係だったのかなど。
暫くして、何名かの方に全体でのシェアをして頂きました。
YouTube「ゆかりの音」で先生の書籍を朗読されているゆかりさん。朗読で本の内容を広めたいと伝えたところ、先生が「お願いします」と即答だったお話。
独学で舞をされている方は、個人レッスンの際、先生から聞いたお母さんの話などをシェアくださいました。
そして、午前中だけ会場に駆けつけてくださった、大野先生の次男さんからもご挨拶を頂きました。
司会の仁さんから指名された先生の古くからのご友人は、先生がまだ普通のおじさん(!?)だった頃の話を楽しく暴露されました。
「そんな先生は見たことがないですね…」と秩父道場の代表、内田 善之先生。
大野先生にこれまでの深い感謝を述べられたゆう琴のHibiki Kannaさん。今回、先生の思い出の動画を編集し、会場で流してくださいました。
そして、いよいよ亥士さんによるアルバム『アマココロ』の制作秘話に入っていきました。
満開の桜の下で始まった収録が悪天候だったこと。「アルミシートの上に乗ると声が出るんだ」と言って、ガサガサ音がするにも関わらず、当初、先生が独自のやり方をされていたお話。お弟子さんの荒川 克美さんと3人で巡った音の真理への旅。一度消えてしまった先生の収録音が、亡くなった後、すべて復活した話など。また、制作のサポーターのご寄付によって、アルバムが無事に仕上がった事への感謝など。
6/25より当ホームページでもアルバム『アマココロ』を販売致します!詳しくはこちらへ
お昼はご用意した仕出し弁当を、各人好きな場所でいただきました。
後半:新刊のお祝い、魂合氣ミニWS、みんなで歌おう
後半は私、岡本より先生の新刊『カタカムナで直感する神人一体の合氣』の紹介と、本作りの裏話から始まりました。
先生はいつも原稿を書き終えると、すぐさま新たな発見があり、書き足していく方でした。そんな訳で、1冊の本が仕上がるまでには、相当な時間を要しましたが、校正、イラストも含めて、私は先生の4冊の書籍の誕生に関わらせて頂きました。
潜象の世界の事を言葉にする事自体が難しいのですが、それでもどうしたら皆さんに読みやすいものになるのかを共に悩み、何度も赤ペンを入れた事。先生と朝からの読み合わせ作業が、気づくと夜中になっていた話。炬燵でアイスをいただいたり、途中、脱線して歌ったり…。
「合氣についてはこれで一先ず書き終えたと思う。これから残りの人生、カタカムナの真髄について全力で書いていきたい!」と2月10日の電話で熱く語られていた先生のお気持ちもお話しさせて頂きました。
そしてお待ちかね。魂合氣研究会を引き継いだ荒川 克美さんをはじめとする女性陣のミニワークショップ!晩年の大野先生にとって、感受性の高い彼女たちとの掛け合いは、常に発見の連続だったと思います。
マノスベの姿勢や踵(きびす)の扱い、浮き手、「ウ」の発声、右巻き、左巻きのウズについてなど。参加者全員を巻き込んで、とてもわかりやすく紹介くださいました。
ここで、これまで先生の講座を開催し、多大なサポートをしてくださった2名の方にもご挨拶を頂きました。先ずは麻問屋「麻光」3代目社長の江藤 富士江さん。
そしてクリスタルボウル、ゆう琴の演奏者であるうさぎの節子(野村 節子)さん。節子さんは先生との講座のお話の後、「心の恋人」だという大野先生の為に、ゆう琴の弾き語りによる美しいカタカムナ ウタを歌ってくださいました。
さて、続いて秩父道場は、普段の鍛錬の様子をデモンストレーションしてくださいました。進行役の秩父道場、佐々木さん(陶芸家)が「これはヤラセではありませんよ、笑」とつい言いたくなる程、面白いように相手が次々と崩れていきます。そしていつだって技をかける者とかけられる者とが共に笑ってしまう。そう、それが魂合氣なのです。
ちなみに内田 善之先生を筆頭とする秩父道場の皆さんは、先月、北本道場の畳を引き継がれてから、より技が効くようになったと喜んでおられました。
最後はアルバム『アマココロ』より、皆で口ずさめるウタを歌う時間に。
先生のアルバムを流しながら、皆で『五十音』を歌います。
アルバム制作を通して、先生のウタを誰よりも濃密に浴びてこられた亥士さんファミリー。なんと、1才5ヶ月の息子さんまで部分的に歌えるようになっていました!
自然と舞台中央に集結。
その後も『お猿のかご屋』『蛙の夜回り』『さくら さくら』を歌い、いよいよクライマックスはアルバム最後の曲、『砂山大宴舞』!この曲は前出のHibiki Kannaさんの山のご自宅でレコーディングしたもので、大野先生と仁さんは気持ちよさそうに舞っていたそうです。大野先生の為に結成された女性陣によるコトホグミも参加しています。
再び亥士さんによる銅鼓の演奏と、香奈子さん、Hibikiさんによる笛の音が合わさり、等身大パネルの先生もしばし舞い遊び、皆がひとつになった後、目出たくお開きと相成りました。
夢のような一日でした。
改めまして、ご参加くださった皆様、本当にありがとうございました。
また、様々な理由でキャンセルをなされた皆様も、お気持ちを寄せて頂きありがとうございました。
今後またこのような機会があれば参加したい、とのご要望も受けており、私たち有志も大野先生と皆様が喜ぶような事を企画できたらと思い始めております。
尚、当ホームページは、これまで管理をしていた岡本みどりが正式な手続きを経た後に、ご家族様よりその権利を譲り受け、この度、存続する事が決定致しました。私の生命が続く限りは、大野先生が遺されたものを大事に守って参りますので、引き続きどうぞよろしくお願い申し上げます。
<会場スタッフ>
新井 いづみさん、泉谷 典彦さん、
菊地 彩さん、
魂合気研究会 北本道場の皆様、
辻田 陽子さん、中沢 知枝さん、
西村 うめさん、水島 洋子さん
<チラシ>
魂合氣研究会
8/27(日)カタカムナと魂合氣のWS@浦和駒場体育館柔道場
※ 詳細は本HPで改めてお知らせ致します。
香風舎
各種WS、公演のご案内
石坂 亥士さん
6/24(土)夏越ノ大祓2023 -巨木の時空- @桐生市有鄰館 酒蔵
画家・石塚 雅子さん
巡回展『顕神の夢』
7/7-23 個展『夢』
鉄造形作家・トモエ O. ホリーズ
6/26-7/6『現代彫刻8人展 Zero-K vol.15』
<物販>
石坂 亥士さん
アルバム『アマココロ』
BAB JAPAN
大野先生の書籍、DVD 一式
岡本 みどり
大野先生の『生命の神業』、特製ポストカード
すぎな農園さん
平飼い卵
MICHIさん
ソルフェジオのCD
Photo : 泉谷 典彦
(最後の夕景のみ 岡本みどり)
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