カタカムナ ウタ 第23首
アマタカマカハラ アワチノホノサワケ アメクニクラト オキミツゴシマ
【用語の訳】
○アマ
宇宙をアマと言います。そこに密充している始元量もアマと言います。
○タカマカ
アマにタ(発生した)カは、マカ(アマ・カム重合)して、
○ハラ
ハ(正反のバランスを以て)ラ(あらわれて)、分化、変遷していきます。その分化、変遷、還元していくチカラをアワと言います。
○アワチ
アワのチカラは、カが変遷する潜象のチカラや、現象物にウツされて受け継がれていく現象のチカラ、つまり生命力の全てです。
○ホノサワケ
アワチの違いは、ホ(親和重合)ノ(変遷)のサ(差)として現象にサワケ(差が現れ)ます。細胞の新陳代謝の良さやミツゴナミの量などでもその差が分かります。
ホの差という言葉は興味深い言葉です。
「私はあなたにホの字です」という言葉は「あなたに惚れています」という意味ですが、ホの字はホットした、ホカホカ、ホンノリ、ホガラカ、ホノボノ、ホクホク、ホレボレといった心が満たされている状態のときに使われる言葉です。このような時は、ホノサワケも増えています。
○アメクニ
アメ(始元量)がクニ(自由に定着)します。それは
○クラト
ク(自由に)ラ(あらわれて)のト(重合)。つまり、クラ(潜象)でのト(統合)によって
○オキ
オ(六方環境)にキ(発生)する
○ミツゴ
イカツミ、マクミ、カラミから成る
○シマ
シ(示す)マ(位置量)なのです。シマは潜象のマのことで、位置量はそこに現象が発生することを言います。
【補足説明】
因みに、アワチノホノサワケとオキミツゴシマは『古事記』では次のようになっています。
・淡道之穂之狭別の嶋(淡路島)
・隠岐三子嶋(隠岐の島と知夫里島、西の島、中の島)
【解説】
○アマタカマカハラ
アマ(始元量)からタカ(発生)し、マカ(重合)し、ハラ(正反・分化・統合・還元)といった意味も含んでいます。
アワチ(アワの持続)とは、生命のバランスを取るホ(親和・対向発生の関わり)なのですが、そのサ(差)でワケられ(異なる出来具合となっ)て、アメがクニ(自由に定着して)にクラト(潜象での統合があって)ミツゴのシマになります。
このミツゴシマがクラト(ウキフ、潜象の核)であって、アマツアキツネ(現象発生の根)になります。そして、ここがアマウツシの豊富な(新陳代謝の盛んな)生命力が生まれる根元なのです。つまりアマの持つ無限のチカラを代行するところなのです。
【アワチノホノサワケ】
アワチは、周りにホ(親和してくれる)生命体が多いと条件が良くなります。アワ量が満ちます。近代社会は開発という名目で自然をどんどん無くしています。
イヤシロチやイヤシロに生きている動植物も無くなっていきます。
そこで、私達が受けるホノサ(六方の関わりの量)も少なくなっているのです。
私たちができることは、「ミを入れて」を日常にして、遠達性のチカラ、ミツゴナミを多く発生させる生き方です。それをまわりが受けて、元気さが増して、ミツゴナミとして返してくれることです。親和性のココロ、ホを通わせ合いなのです。
このことを詠んだウタがあります。
カムナガラ ヨロヅコトナリ ササヘアヒ
『相似象』第5号 カムナガラノミチ 第51句
アマネモロカゲ アガムモノ ヤクサヒトミチ カムカヘル
【概要】
ヨロヅ(万物)のコトナリ(異なるそれぞれが)ササヘアヒ(支え合って)万象を存在させています。アマネ(全ての存在)は、モロカゲ(もろもろのお陰)なのです。私達が「お陰様」という原点はこのモロカゲにありました。
モロカゲをカタカムナ人は悟っていました。
モロカゲサチという言葉もありますが、カムロ(カムの縦横の関わりによって)カカユヌ(モロモロの発生がある)ことですから、これはイノチサチ(イノチのサズカリの持続)でもあるのです。
その他の言葉の意味も記しておきます。
○カムナガラ
カタチは見えぬものではありますが
○アガムモノ
崇めるものはお天道さま、お月様、木、草花、地、人、それを発生させている潜象、カム、アマ、アマナといったモロカゲ。
○ヤクサヒトミチ
人のミチは八方に自由に分化してゆくけれど
○カムカヘル
そのミチはカム(無限界)に帰って考える、つまりモロカゲとなるように考えることでしょう。
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