最善の座り方 日本古来の文化
カムナガラ カムミタハチル タナココロ ミキザヒザオキ イツキノリ アマウツシミチ イヤミソギ
(カムナガラノミチ 第37句)
※ カムナガラノミチ全104句は、『相似象』第5号に載っています。
「カムナガラノミチは、神道よりも、天孫降臨よりも、もちろん仏教儒教思想よりもはるか昔の上古代以来伝えられてきた日本民族の独自の哲学に基づくものです」
『相似象』第5号88頁
【用語の訳】
○カムナガラ
カタチこそ目に見えないけれど
○カムミタハチル
カムミをタハ(正反の放出を)チ(持続)させル(留まらせる)
○タナココロ
掌を
○ミキザヒザオキ
ミキザの座りをして、その両膝の上に置き
○イツキノリ
イがツ(たくさん)発生しノリ(体に乗る事は、イノル事は)、
イとはイカツミ、マクミ、カラミを秘めている生命力のことです
○アマウツシミチ
アマウツシがミチ(満ちる方法)であり
○イヤミソギ
イをヤ(飽和、極限)まで増やして、ミ(カムミ)をソ(其処)にキ(発生)させます。
【ミキザヒザオキ】
正座は江戸時代から盛んになった座り方であり、あぐらは仏教と共にインドから渡来したものです。
カタカムナの時代の人々は感受性が良かったので、このような座り方ではなく、カムツミの発生を多くする座り方をしていたと思います。
しかし、それがどんな座り方だったか解っていません。伝わっている中では、平安時代の座り方が一番古いので、これを参考にして試してみました。そして、正にミキザと呼ぶにふさわしい座り方が解りました。
ミキザの姿勢で大切な要点は、鼠径部、膝、足首の3箇所の曲がりを、以下に記すように直角にすることでした。正に3段の姿勢です。
1. 鼠径部では、体と大腿との角度を直角にします。この座りは、自ずと肛門が前方にきます。肛門が前にくることは、立つときも腰掛けるときにも大切なのです。 |
2. 膝関節では、膝関節の内側の角度、つまり太股とふくらはぎが直角に向き合うようにします。 |
3. 足首関節 両踵のきわを合わせて足裏同士が直角に向き合うようにします。 |
この三箇所の直角は、それより狭くしないこと。この座りがきつい方は、アキレス腱や、股関節、骨盤の動きが硬い為です。
掌を膝に置く時に、肘は真下ではなく左右に向かせます。こうして脇の下を開けておくと菱形筋を寄せて肩甲骨を寄せることが易しくなります。胸を張らずに、肩甲骨を寄せる姿勢が正しいのです。脇が締まると、様々な点で良い結果が生まれてきません。
試しに、ミキザで座った人を真横から押してみましょう。安定しています。姿勢が安定していれば、精神も落ち着きますから、精神統一ができます。体の内部もまとまり、自ずと深い腹式呼吸になります。神業も効きます。他の座り方と比べてみると違いは歴然とします。ミキザは体の内部が整って、ハラが解ります。
ハラ(お臍が中心)が解ると、日本がハラの文化であったことが腑に落ちます。そしてこれが「ミを入れる」ことの本質ですから、これを如何に大切にしてきたかも解ります。ハラ(お臍が中心)は、正反のバランスを取るところです。ミを入れた状態で精神が統一します。これは、瞑想や禅定(ぜんじょう)と似ていますが、片方は己自身を高める為に、片方は対象と一体となって、共に良くなろうとする為に行いますから、瞑想、禅定、丹田、チャクラ等とは違った文化であることは体で理解できます。
ミキザ以外の姿勢で注意する点は何かといえば、椅子に座る時も、立つ時も、全て肛門が前方にくるようにします。肩甲骨を寄せて、出来ればアキレス腱を伸ばして足先を少し浮かせてください。
立っても腰掛けても、その姿勢が良い姿勢かどうかを判断する確かな方法は、深い腹式呼吸になっているかどうかです。ミキザ坐りをすると腹式呼吸になっていることがわかるでしょう。